Skip to main content

Posts

Showing posts from 2011

iray blog unofficial translation: ノイズだらけの画像

以下は iray dev blog の個人的な翻訳です. この翻訳は iray 開発者あるいはNVIDIA とはまったく関係がありません. 原文:  http://blog.irayrender.com/post/12964041473/noisy-pictures 物理的に正しいレイトレーサあるいはパストレーサを用いるレンダラが直面する主な問題があります.それは完全にノイズのない画像を生成するには長いレンダリング時間がかかるというものです. 残念なことにこれは(準-)モンテカルロ法に基づくアルゴリズムが一般に持つ性質によるものです.これらの手法では数学的に期待値の持つエラーが線形に消えていくことはありません. irayにとってこれが意味することは,ノイズの総量は1フレームをレンダリングする際に使うサンプルの数(あるいは総時間)に直接に比例しないということです.このためにレンダリングの最初の頃のステップで減っていくノイズの量は,後で減っていくノイズの量に比べて少ないように見えます.つまり収束がだんだん遅くなっていくような印象を受けるのです. この事実を回避するために,多くのレンダラは通常ある仕事を省略しようとします.たとえば,レンダラの中にはいくつかの物理的な効果を無視したり,レンダリング結果の無偏向性(un-biasedness)をあきらめたりします.その他の技術としては特殊な発見的手法を用いてサンプルをフィルタし,ノイズをぼかしてしまうというものがあります.あるいは単純に様々な芸術的な方法に依存する方法,たとえば,根底にあるレンダリングのアルゴリズム/魔法に影響する沢山のスイッチを用意して,それをいじりまわすという方法です. しかし iray の一つの大きなデザインゴールは,インストールしたらそのままいつでも全てが正しく動作し,沢山のパラメータをいじりまわすことは必要ないというものです.私の正直な意見としては,パラメータの数は 0 であるべきです.そうであれば,アーティストやデザイナは実際のレンダリングされるコンテンツに完全に集中できるようになり,小難しい深い数学の詳細を知る必要はありません.また,一貫性のないアルゴリズムはまったく使うべきではないと思います.そういうアルゴリズムを使わなくてはいけないかわいそうなアーティストが見るのは,あ

iray blog unofficial translation: iray 2.0 のデイライトポータルにおける性能問題

以下は iray dev blog の個人的な翻訳です. この翻訳は iray 開発者あるいはNVIDIA とはまったく関係がありません. 原文:  http://blog.irayrender.com/post/12598717491/daylight-portals-in-iray-2-0-performance-issues 大域照明における古典的な問題は屋外の光源による屋内のシーンのライティングです.典型的には太陽/空(sun/sky) あるいは HDR 環境照明でこの問題があります.このセットアップではリアルな屋内のライティングが可能ですが,一方でレンダラが力づくの(準)ランダム性に基いて室内の窓を探し,どの光源からの光がその窓を通るかを計算することは大変難しい問題です.デイライトポータルはこの問題に対処することを目的に作られました.デイライトポータルによってユーザはどの窓から光が入ってくるべきなのかをレンダラにヒントとして伝えることを可能にします. iray 2.0 はデイライトポータルを完全にサポートしました(version 1.x では限られたサポートのみでした).これは mia_portal_light mental ray シェーダを通じて設定できます.多くの場合に総合性能の重大な改善(*)がみられます.しかし,時にポータルは性能を悪化させる場合があります.あるユーザは初めて iray 2.0 を利用した際,この性能悪化につまづきました.私達に届いたレポートでは,iray 2.0 の性能はiray 1.2 の性能に比較して二倍悪いというものでした.私達がこれらのレポートをいくつか調べたところ,実際にポータルが性能悪化の犯人だった(**)という場合がありました.ポータルを無効にしたところ,性能が iray 1.2 とほぼ同等まで回復したのです. さて,どうしてこんな重大な性能の食い違いが起こったのでしょう? 調査の結果,これに関して iray ポータルのバグや基本的な欠点は発見されませんでした.ポータルは設計通りに機能していたのです.実は,多くの場合, iray はポータルなしでも上手く働くのです.しかし,これらのいくつかのケースでは,ポータルは助けになるのではなくむしろよりノイズのあるイメージを生成する原因になっていました.ポー

iray blog unofficial translation: まずは金属薄片(metallic flake)の効果あれ.

以下は iray dev blog の個人的な翻訳です. この翻訳は iray 開発者あるいはNVIDIA とはまったく関係がありません. 原文:   http://blog.irayrender.com/post/12202139302/let-there-be-some-metallic-flakes まずは金属薄片(metallic flake)の効果あれ. どうやら CG アーティストは常に車をレンダリングしたいようです.というのも,実際の iray ユーザから頂いたシーンのうち,車のシーンの占める割合は驚くほど多いからです.その量はまるで宇宙の基本的な定数であるかのようです.また,レンダラが車を扱えないのであればそのレンダラはドイツでは役立たずのようです.運が良いことには, iray は車のレンダリングには向いています...しかしもちろん,改善の余地は常にあります. iray 2.0 では我々は内部のマテリアルのモデルの改善に注力しました.その結果,とてもパワフルなモデルができあがりました.それは BRDF を柔軟に層化(layering) することを可能しました.その結果,基本的なカーペイントを比較的直感的に作成できるようになりました.私達はまず最初に拡散(diffuse)層を下にしき,そしていくらか光沢(glossy)のある BRDF を混ぜ,Fresnel 効果のあるクリアコート層をその上に乗せます.これで単純なカーペイントができました. しかしこれではちょっと退屈です.私達は金属薄片(metalic flake)の入ったカーペイントが欲しい気がします.というのも単純に金属薄片の効果がかっこいいからです: iray 2.0 には組み込み(built-in)のプロセジュアル(訳注: プロセジュアル(procedual),特定のアルゴリズムを走らせてマテリアルの効果を得る手法.たとえば,特定のパターンのテクスチャを作成するなど.) によって薄片を作成できます.これは層のモディファイヤー(モディファイヤー(modifier)変化させるもの)であり,実世界でもありうるように小さな薄片のある層の効果をもたらします.そのふるまいとパラメータは基本的に mental ray のmetallic paint シェーダーのも

iray blog unofficial translation: はじめまして, iray ユーザの皆さん!

以下は iray dev blog の個人的な翻訳です. この翻訳は iray 開発者あるいはNVIDIA とはまったく関係がありません. 原文:  http://blog.irayrender.com/post/12196196279/welcome はじめまして, iray ユーザの皆さん! 私達はここで iray に関係するマテリアルの知識,新たな機能のデモ,そしてワークフローの例,などについて直接あなたがたに語りかける機会を得ることができ,とても嬉しく思っています.このブログではirayを使う上で役に立ちそうなヒントやトリック,そしてユーザの皆さんからの興味深い利用例をポストできればと思っています.そして,たぶん我々が iray を設計した際に考えたことからビジョンや哲学めいたものまでご覧に入れられるかもしれません.どうかご期待下さい. iray 開発チーム

mental ray/iray の camera の用語に関して気がついたこと.

もともと mental ray のカメラは pinhole camera であったので,通常のカメラと違う用語の利用があるため,ここに示しておく. aperture : これは film の width である.レンズの開口径とは関係がない.mental ray あるいは iray/neuray のカメラはもともと pinhole camera なので,レンズのサイズというものはなかった. focal : これはレンズの位置からセンサーの位置までの距離である.pinhole camera ではピントはどこにでも合うので focal length の意味はないが,aperture と focal から horizontal 方向の field of view が計算できるのでそのためにあるようだ. aspect ratio : これは film の aspect ratio である.解像度やカメラの形状とは関係がない.aspect ratio = film width/film height である.aperture, focal, そして aspect ratio を使うと鉛直方向の field of view が計算できることは注意しておいてよいだろう. mental ray/iray camera model (pinhole camera) without lens shader   今のカメラは depth of field などができるように拡張されているので,この用語は混乱しやすい.depth of field のために lens_radius や focus_plane_distance という parameter を持つ lens shader がある. カメラに関しての記述は Andy Kopra の Writing mentalray Shaders の 24 章がわかり易い. ところで今年の春に mental image は完全に NVidia の子会社に統合された http://www.mentalimages.com ようだ.会社は NVidia ARC (NVidia Advanced Rendering Center) という名前になった. SIGGRAPH では NVidia は今後も men