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iray を standalone mental ray で使いたい(1)

* 現時点では iray は NVidia のRealityServer でないと入手できない.次の 3dsmax/Maya/XSI でサポートされることを期待してこの blog を書きます.

GDC の Keynote や,SIGGRAPH ASIA 2009 の booth で NVidia の子会社のmental images が iray というレンダラのデモをしていた.

GDC NVidia iray demo (YouTube)
mental image's iray page

間接光をシミュレートするのは mental ray や,他のレンダラでもある程度できるが,final gather とか Photon map とかはちょっと物理的には怪しい近似手法であり,正しい解に収束するとは限らない.それに最適化のパラメータがいろいろあって難しい.

また,これらの手法は時間がかかるので,見えない光源を置いて間接光の影響を手でシミュレートするというようなことをしたりする.このirayは path tracing を brute force で実行する.しかしそれでは現在の計算機ではまだ力不足なので,GPU に実装して GPU クラスタで計算するという方法らしい.上記の YouTube での GDC のデモの画像は interactive でこの質と,かなりすごいと思うが,このデモでは Tesla を15 枚使っているというレベルのようだ.(いったいいくらするんだろう?) SIGGRAPHASIA 2009 では Quadro 5800 FX を 5 枚使っているという計算機でデモをしていた.そう言えば東工大にはテスラやフェルミのクラスタがあるというのだが,iray を走らせたらどうなるのか個人的に知りたい.

iray は物理シミュレーションをするので, SIGGRAPH ASIA のデモでは buildin の shader しか使えないという説明であった.特殊なことをしたい時やカスタマイズした時にはどうするのか,という質問には,

  1. iray でサポートする物理学はこの世界にあるものだけで,それ以外の物理学はサポートする予定がない.

  2. 物理学に沿わないことをしたい場合には,mental ray か,reality server の software renderer を使って欲しい.

ということであった.考えてみれば,物理シミュレーションをするわけで,物理学をカスタマイズするにはどうするのかという質問をしていた.iray はアーキテクチャや車のデザイン関係など物理的な結果が欲しい人をターゲットにしたレンダラということだ.ただ,プロダクションの人やアーティストは物理学よりも欲しい絵ができるかということで,その場合には,今後とも mentalray でのサポートをするということであった.つまり,

   1. 物理シミュレーションをしたい人: iray
   2. カスタマイズしたい人: software renderer(例: mental ray) + MetaSL

ということだ.

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