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mental ray/iray の camera の用語に関して気がついたこと.


もともと mental ray のカメラは pinhole camera であったので,通常のカメラと違う用語の利用があるため,ここに示しておく.

aperture: これは film の width である.レンズの開口径とは関係がない.mental ray あるいは iray/neuray のカメラはもともと pinhole camera なので,レンズのサイズというものはなかった.

focal: これはレンズの位置からセンサーの位置までの距離である.pinhole camera ではピントはどこにでも合うので focal length の意味はないが,aperture と focal から horizontal 方向の field of view が計算できるのでそのためにあるようだ.

aspect ratio: これは film の aspect ratio である.解像度やカメラの形状とは関係がない.aspect ratio = film width/film height である.aperture, focal, そして aspect ratio を使うと鉛直方向の field of view が計算できることは注意しておいてよいだろう.

mental ray/iray camera model (pinhole camera) without lens shader 

今のカメラは depth of field などができるように拡張されているので,この用語は混乱しやすい.depth of field のために lens_radius や focus_plane_distance という parameter を持つ lens shader がある.

カメラに関しての記述は Andy Kopra の Writing mentalray Shaders の 24 章がわかり易い.

ところで今年の春に mental image は完全に NVidia の子会社に統合された http://www.mentalimages.com ようだ.会社は NVidia ARC (NVidia Advanced Rendering Center) という名前になった.

SIGGRAPH では NVidia は今後も mental images の製品をサポートしていくということだ (http://www.nvidia.com/object/siggraph-2011.html)が,GPU やcloud をより利用していく方向を打ち出していた.ただ,mental images の名前がなくなってしまうのはちょっと寂しい.

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