Friday, April 24, 2009

シェーダ(shader)とは

メンタルレイではシェーダが重要な役割を果たすのでここで述べておきます.

シェーダ(shader) とは,光が物体に当たった時に,どのように物体の明るさを計算するかというプログラムコードです.(shade には影という意味があります.)しかし,これは最初にシェーダが考えられた時の元々の意味であって,現在はもっと拡張された意味を持っています.コンピュータグラフィクスでは物体をポリゴンなどの多角形で表現し,各頂点の明るさを計算し,そして多角形の内部を様々な方法で補間するということがかつて行なわれていました.時代と共に光と物体の相互作用の計算方法は発展し,複雑になっていきました.そしてシェーダの発展方向は主に二つの方向に進みました.一つはより速度,インタラクティブ性に重点を置いたハードウェアによるシェーディング,もう一つはよりリアリズムに重点を置いたソフトウェアによるシェーディングです.

グラフィックスに特化したハードウェアは現在 GPU (Graphics Processing Unit) と呼ばれています.初期の GPU には固定されたシェーダ機能が実装されました.できるだけ高速に大量の Pixel を生成するには機能を固定し,深いパイプラインで高いスループットを得るという手法が実際的だったためです.しかし計算能力の発展によってより高品質をめざすようになり,シェーダはプログラム可能になりました.シェーダプログラミングは最初アセンブラ言語に近いものでしたが,やがて Cg などの Shading 言語が実装されるようになりました.それはますます発展してCUDA, OpenCL (2009 年現在)のような一般的な言語となり,シェーダを書くだけのものではなくなりました.

一方でメンタルレイのシェーダの出発点は高品質な画像の生成を第一の目的として発展してきました.高品質を達成するために光が物体に当った時にどのような現象が起きるかをシミュレートするのがシェーダの主な役割でした.特にハードウェアのシェーダは各ピクセルで独立した計算を行う,つまり 局所的(local) 計算は得意ですが,実際の現象は 大域的 (global)です.遠くの物体が他の物体に影を落とす.という日常で見かけることは既に global な現象で,一つの物体がシーン全体に影響する可能性があります.このような 大域照明(globa lillumination) をある程度真面目に計算するのがメンタルレイです.メンタルレイでもシェーダは局所的な計算を行うものが多いですが,これらの現象をレイトーレーシング法によって大域的な現象として計算します.

現在この二つの方法は融合する方向に発展しています.今は GPU でレイトレーシング(ray tracing) を行う時代になりつつあり,メンタルイメージでは MetaSLというソフトウェアシェーダを GPU の言語 (Cg など)やメンタルレイシェーダにコンパイルする製品(mental mill (http://www.mentalimages.com/products/mental-mill.html))を出していま
す.

現時点では GPU のシェーダはゲーム業界の要求からまだ計算速度を重要視しており,質という点ではソフトウェアのシェーダはまだ一日の長があると思います.

(また,メンタルイメージは 2007年の 11 月に NVidia という GPU の大手の会社に買収されています.http://www.nvidia.com/object/mental_images.html)

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