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iray blog unofficial translation: まずは金属薄片(metallic flake)の効果あれ.


以下は iray dev blog の個人的な翻訳です. この翻訳は iray 開発者あるいはNVIDIA とはまったく関係がありません.


まずは金属薄片(metallic flake)の効果あれ.

どうやら CG アーティストは常に車をレンダリングしたいようです.というのも,実際の iray ユーザから頂いたシーンのうち,車のシーンの占める割合は驚くほど多いからです.その量はまるで宇宙の基本的な定数であるかのようです.また,レンダラが車を扱えないのであればそのレンダラはドイツでは役立たずのようです.運が良いことには, iray は車のレンダリングには向いています...しかしもちろん,改善の余地は常にあります.

iray 2.0 では我々は内部のマテリアルのモデルの改善に注力しました.その結果,とてもパワフルなモデルができあがりました.それは BRDF を柔軟に層化(layering) することを可能しました.その結果,基本的なカーペイントを比較的直感的に作成できるようになりました.私達はまず最初に拡散(diffuse)層を下にしき,そしていくらか光沢(glossy)のある BRDF を混ぜ,Fresnel 効果のあるクリアコート層をその上に乗せます.これで単純なカーペイントができました.

しかしこれではちょっと退屈です.私達は金属薄片(metalic flake)の入ったカーペイントが欲しい気がします.というのも単純に金属薄片の効果がかっこいいからです: iray 2.0 には組み込み(built-in)のプロセジュアル(訳注: プロセジュアル(procedual),特定のアルゴリズムを走らせてマテリアルの効果を得る手法.たとえば,特定のパターンのテクスチャを作成するなど.) によって薄片を作成できます.これは層のモディファイヤー(モディファイヤー(modifier)変化させるもの)であり,実世界でもありうるように小さな薄片のある層の効果をもたらします.そのふるまいとパラメータは基本的に mental ray のmetallic paint シェーダーのものと同じで, 薄片の大きさと密度,どれだけ面の法線から金属片の方向を変化させることを許すかというパラメータからなります.

我々は単純なカーペイントからはじめました.この単純なカーペイントの最下層レイヤーとクリアコート層の間に一つの層を挿入し,そこに薄片のプロセジュアルを適用しました.標準的なメタリックペイントとして,私達は完全にスペキュラ(鏡面),あるいはかなり光沢のある BRDF の層を挿入することができます.これが金属薄片の高いスペキュラを模倣するのです.これがその結果です:

非常に小さな薄片を使うこともできます.そうするとちょっと離れてみればこれはまるで光沢のある BRDF のように振舞います.(薄片がマイクロファセットの役割をするのです!)

一方で,もっと少ない量の大きな薄片を使うことができます.これはメタリックペイントで著しい,きらきらした効果を生みます:

薄片層の色と薄片のパラメータをいろいろと変化させていくと,様々な種類のメタリックペイント,ファミリーカーから派手な高級車まで!,を作成できます.次の絵は青い金属薄片の層の上に更に緑の金属薄片の層を乗せたものです.

新しいマテリアルモデルはこれだけではありません,続く記事でそれらが紹介されることをご期待下さい.これは新機能の最初の例にすぎません.

PS: ここで示された滑ての画像は収束(converged)したものです."ノイズ"のように見えるものは金属薄片が見せる効果です.

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以下は iray dev blog の個人的な翻訳です. この翻訳は iray 開発者あるいはNVIDIA とはまったく関係がありません. 原文:  http://blog.irayrender.com/post/12964041473/noisy-pictures 物理的に正しいレイトレーサあるいはパストレーサを用いるレンダラが直面する主な問題があります.それは完全にノイズのない画像を生成するには長いレンダリング時間がかかるというものです. 残念なことにこれは(準-)モンテカルロ法に基づくアルゴリズムが一般に持つ性質によるものです.これらの手法では数学的に期待値の持つエラーが線形に消えていくことはありません. irayにとってこれが意味することは,ノイズの総量は1フレームをレンダリングする際に使うサンプルの数(あるいは総時間)に直接に比例しないということです.このためにレンダリングの最初の頃のステップで減っていくノイズの量は,後で減っていくノイズの量に比べて少ないように見えます.つまり収束がだんだん遅くなっていくような印象を受けるのです. この事実を回避するために,多くのレンダラは通常ある仕事を省略しようとします.たとえば,レンダラの中にはいくつかの物理的な効果を無視したり,レンダリング結果の無偏向性(un-biasedness)をあきらめたりします.その他の技術としては特殊な発見的手法を用いてサンプルをフィルタし,ノイズをぼかしてしまうというものがあります.あるいは単純に様々な芸術的な方法に依存する方法,たとえば,根底にあるレンダリングのアルゴリズム/魔法に影響する沢山のスイッチを用意して,それをいじりまわすという方法です. しかし iray の一つの大きなデザインゴールは,インストールしたらそのままいつでも全てが正しく動作し,沢山のパラメータをいじりまわすことは必要ないというものです.私の正直な意見としては,パラメータの数は 0 であるべきです.そうであれば,アーティストやデザイナは実際のレンダリングされるコンテンツに完全に集中できるようになり,小難しい深い数学の詳細を知る必要はありません.また,一貫性のないアルゴリズムはまったく使うべきではないと思います.そういうアルゴリズムを使わなくてはいけないかわいそうなアーティストが見るのは,あ

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もしあなたが Maya や 3dsMax, XSI を使ってレンダリングしている場合にはこの記事は不要です.シェーダを書いたり,アニメーションのためにレンダーファームを使ったりという場合にはこの記事は多少参考になるでしょう. メンタルレイの参考文献 メンタルレイの参考文献は以下のものが重要です. Thomas Driemeyer, Rendering with mental ray, 3nd Ed. (Mental Ray Handbooks 1), ISBN-13: 978-3211228753 Thomas Driemeyer and Rolf Herken, Programming mental ray, (Mental Ray Handbooks 2), ISBN-13: 978-3211838518 Andy Kopra, Writing Mental Ray Shaders: A Perceptual Introduction (Mental Ray Handbooks 3), ISBN-13: 978-3211489642 しかし難しいので他の文献も探してみると良いでしょう.個人的にはこの中で一番わかりやすいのは Andy Korpa の本だと思います. http://www.writingshaders.com/ がサポートページです. 最初の二冊には日本語訳があるようですが,残念ながらバージョンが古すぎて(version 2.0,2.1)あまり使えないでしょう. メンタルレイを入手する 私の場合は会社でメンタルレイを使っているので問題ないのですが,個人で入手する場合には Maya, 3dsmax や XSI を買うというのが一番簡単だと思います.ただし,スタンドアロンが欲しい場合はちょっと複雑です.噂では,スタンドアロンは1000 ドル位ということですが,本当にいくらなのかは知りません. standalone の mental ray を入手する一番簡単そうな方法は Andy Kopra のシェーダ本を買う方法だと思います.この本にはメンタルレイの 3.6+が付属しています.先程 Amazonl.com をみたら 157 ドルでした.(2009-5-14(Thu)では15,000円です.) このメンタルレイは機能的には並列機能だけ除いてフルバージ